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核の威嚇 | 災害の芽を摘む – saigai.me

 1年前の2022年3月1日の新聞記事に『キューバ危機以来の局面に プーチン氏、核で威嚇』という見出しがありました。




キューバ危機とは?

 キューバ危機とは1962年(昭和37年)10月、ソビエト連邦(ソ連・当時)がキューバに攻撃用ミサイルを配備したことに関わる一連の事件です。

 ミサイル搬入を阻止したいアメリカとソ連が衝突し核戦争が起こるのではとの恐怖が広がりました。東西冷戦時代の米ソ平和共存が崩壊することで新たな大戦が起こり、核爆弾が使用されれば世界中に影響が及ぶため、このニュースは多くの国で報道されました。

 当時のアメリカはジョン・F・ケネディ大統領、ソ連はフルシチョフ首相が首脳でしたが、両首脳が核戦争回避に向けて秘密裏に交渉を続けたことで最悪の危機は回避されました。

【参考】NHK:キューバ危機60年 戦術核の危険性と米ロの責任(2022年10月28日)

JFK on the Cuban Missile Crisis – 1962 | Today in History | 22 Oct 16




ウクライナ侵攻

 2022年2月24日にロシアがウクライナに攻め込み、戦争が始まりました。

 ウクライナとは、ロシアから見ると西側、黒海に面したクリミア半島がある1つの国です。黒海を挟んで南側にはトルコがあります。
 ウクライナは東側全体がロシアと隣接しモスクワも近いです。
 北側の大半がベラルーシです。
 西側にはポーランドやハンガリー、ルーマニア、モルドバなどがあります。

【40秒動画でわかる】ウクライナとはどんな国?歴史・民族・言語は




核保有国

 アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5カ国は、核兵器不拡散条約(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons : NPT)に基づき、核兵器の保有を国際社会から認められています。
 NPTの外ではインドとパキスタンが核兵器の保有を宣言しています。

 核兵器とは大量破壊兵器です。
 1発のミサイルが着弾し爆発するだけで多くの生命を奪い、さらに生き残った人にも後遺症を与えます。




核対策

 災害対策をしていると『NBC』という言葉と遭遇する機会があります。

 これは核兵器(nuclear weapon)、生物兵器(biological weapon)、化学兵器(chemical weapon)の3つの兵器の頭文字をとった総称でNBC兵器(NBC weapon)と呼びます。

 核爆弾となると国家単位なのでテロではなく戦争になりますが、一般的な災害対策としてのNBCはテロ対策になります。

【参考】東京五輪に向けた政府の取り組み, NBCテロ対策の強化




NBCは静穏

 『NBC』は、平時には非常に静かで穏やかです。

 サイバー攻撃は個人宛にもメールが届くくらい身近だと思いますが、NBCは縁遠いと思います。

 これが異国の核ミサイルとなると我が身のこととして考えられなかったり、あるいは防ぎようがないので諦めてしまったりします。

 核であるかどうかは別にして、ミサイルが飛来した場合には建物内に身を置き、なるべくガラス窓から離れた場所で頭を守る姿勢で身を守ります。
 屋外に居た場合には爆風を直撃しないようにコンクリートの擁壁の影などに隠れます。ブロック塀は簡単に吹き飛びますし、住宅などは外壁や瓦が剥がれて飛んできます。ガラス片も大量に飛んでくる可能性がありますので、諸々の注意が必要です。

 核や放射能の脅威に曝されたとき、可能であれば被曝しないようにその場から離れます。
 シェルターがあれば3日くらいは隠れておくと良いと思います。
 ただし、放射能の半減期は非常に長いので、放射線防護服を着て脱出しなければ被曝ゼロは難しいかもしれません。

 個人が放射線防護服を買う事は難しいと思いますので、大事な部分だけでも金属で覆うなどして避難することが現実的かと思います。

【参照】内閣官房 国民保護ポータルサイト:弾道ミサイル落下時の行動について




ロシアは核を使っていない

 2022年3月1日の新聞の見出しは『威嚇』となっていましたが、あれから丸1年が経過したところで、いまのところは核兵器を使用したというニュースは流れていません。




日本近海は緊張

 ロシアは日本の隣国とも言えますが、今は西側で戦争をしているので東側では実害が出るようなことは起きていません。

 とはいえ、昨年3月にはロシア艦艇が津軽海峡を通過しており、その後も対馬海峡など日本海での航行が確認されています。

 北朝鮮の発射実験、台湾有事の懸念など何が起きても不思議ではない状況ではあります。

 エネルギーインフラである発電所やダムが攻撃を受けると、市民生活は劇的に厳しい状況に追いやられます。

 もし、1日に数千人が亡くなる新興感染症が流行しているようなときに大きな地震が発生すれば、日本全国で非常事態に陥る可能性が居在ります。
 そのようなときに異国からの侵攻を受けた時、地震の被災地も感染症の患者もケアすることが難しくなると思います。

 BCPを考える際に、最悪のケースも想定しておく必要があるので、私たちは何が起こり得るかを考えながら、より現実的であるワーストケースを考えています。

【参考】NHK:ロシア海軍の艦艇10隻 津軽海峡を通過 “日本けん制の可能性”(2022年3月11)