今日(2024年1月13日)時点の避難者は総数で20,797人であると発表されました。
最も多い輪島市は8,537人、次に多い珠洲市は4,428人です。
輪島市の2023年12月31日時点の人口は23,192人、11,405世帯です。避難者8,537人となると人口の36.8%です。避難所へ避難している人の数が36.8%ですが、自宅避難している人が相当数いるとされています。
発災後の最大避難者数は1月5日発表の12,834人です。この数字は輪島市民の55.3%にあたります。正月の帰省中に被災した人も含まれるので全員が市民という訳ではありませんが、おそらく行政として想定していた数字を大きく上回っていると思います。
珠洲市は1月6日発表の7,122人が最大でした。12,947人と発表されているので55.0%です。こちらも輪島市と同様に想定を上回っていると思います。
人口規模が輪島市の半分ということは、市職員の数も少ないと思います。一方で面積が広く、かつ寸断されている道路がたくさんあるため珠洲市の対応は大変なことになっていると思います。
住家の損壊状況ですが、輪島市や珠洲市は『多数』という漠然とした数字しか出ていません。
市長の肌感覚で言うと半数以上が全半壊ではないかと申しておりました。
今後の地域防災計画は見直される
これまでインタビューした多くの自治体では、避難する市民を『2~3割』と回答する自治体が多くありました。
その根拠として、阪神淡路大震災の際の避難者が参考になっていると回答する自治体が散見される一方で『有識者からの指導』など根拠があいまいなケースも散見されます。
自治体として『こう定義しました!』ということはまったく問題ないです。何らかの定義をしなければ計画や管理ができないためです。
ただし、その定義では発災後に大変なことになるぞという指摘をすることも重要ですし、指摘を受けた自治体側も真摯に受け止め、適正に対応することも市民の生命や財産を守るために必要なことだと思います。
輪島市や珠洲市の避難者数は異常値とも言えますが、これが現実に起きた訳ですから、想定する必要があります。
早い自治体では来年度にも、避難者数が5割という想定をする地域防災計画が出て来るかもしれません。